
三石灯りの街

三石灯りの街について
三石地区は古くから耐火レンガの原料である”ろう石”や耐火レンガ製造の町として栄えた歴史があります。
その町の魅力を再発見する目的で、注目されなくなった古くからある建造物を活用し、よみがえらせようという活動です。
明治24年に建設されたJR山陽本線赤レンガ積み拱渠アーチ橋(四列穴門など)や昭和12年に建造された旧三石小学校講堂などをロウソクの灯りで浮かび上がらせます。
また三石中学校にはステージが設置され、ソプラノ独唱や、小学生によるコーラス、中学校吹奏楽部による演奏などを行い、当日最大のイベントである”灯りの地上絵”を点灯させます。
この取り組みは、平成18年度 岡山県「夢づくり推進大賞」に選ばれました。



(※現在は、三石小学校旧講堂のライトアップは行っていません。)
地域ぐるみの手作りイベントでみんなの思いを灯りに込める
三石灯りの街では、準備から地域ぐるみで行っています。
昨年は地域の皆様のご協力により約5000個を超えるペットボトルが集まりました。
今年は去年使用したペットボトルのうち3000個を再利用します。
子どもたちのイラストも夜の絵画展として展示します。
皆様のお越しをお待ちしています。



灯りの街ができるまで
「三石灯りの街」は"地域を元気にしたい"という市民一人一人の願いが結集した"手づくりイベント"です。
イベント会社がするような立派なことは出来ませんが、その分地域の方々が寄り集まり、アイデアを持ちよって試行錯誤を繰り返しながら、このイベントは作り上げられていきます。
ここではそんな”三石灯りの街”が出来るまでを一部ですがご紹介いたします。
1.アンケートによる意見の収集
「三石灯りの街」が開催された後、その月に小学校および中学校PTAなどへアンケートを配布します。
「三石灯りの街」は毎年、大変多くの方々にご協力を得て開催されています。
特に小学校・中学校の生徒及びご父兄、教員の皆様にはイベントを支える屋台骨としてご協力いただいています。
イベントをより発展させるため、準備を含めた会の運営などについて、感じたことをアンケートとして協力をいただいています。

2.グループ会議による計画や方針の策定
回収されたアンケートを基に、Mプロジェクト協議会"企画グループ"にて反省会を行います。
前年より改善を計った内容が、実際に効果があったのか、また本年度のイベントにおいて発生した問題点など、意見が飛び交います。
すべては次へ発展させるために、皆思い思いの意見を持ち寄ります。
3.灯りの街テーマ、地上絵題材の策定
Mプロジェクト協議会全体会議にて、次回開催日が決定されると、次はイベントの基本となるテーマが決定されます。
毎年"街を元気にする"をグランドデザインとして、その年のテーマが選定されます。
例えば平成22年度のテーマは「キャンドルエナジー」。
「元気」・「勇気」・「笑顔」、様々なメッセージを地上絵で描く「太陽の塔」から伝えたいという思いから選定されました。
実行委員では、実際に「太陽の塔」(大阪府)を見学し、地上絵デザインのイメージを膨らませました。

4.灯りの地上絵の作画
「三石灯りの街」では、三石小学校・三石中学校・四列穴門などを舞台に”灯明(ろうそく)”で地上絵を描きます。
ここではテーマに沿った地上絵のデザインを考案します。
毎年、企画グループの元工業デザイン・ディレクターであるT氏が何日もかかって下書きを作っては修正し、作画をすすめます。
この下書きを基に、「灯明(ろうそく))の位置を設計し、ろうそくの本数などが決定されます。
「灯りの地上絵」の出来栄えはこの「設計図」の出来にかかっています。
すべて手作業で作画するため、「設計図」作りは大変根気の要る作業です。

5.「灯明」の改良と試作実験
"灯りの地上絵"の設計図作りと平行して行われるのがこの「灯明の改良・試作実験」です。
地上絵をより表現できるよう毎年改良が加えられます。
白・赤・黄色などの発色、地上絵の設計にあう灯明の形状など、試行錯誤が行われます。
6.ペットボトル5,000個の回収
灯りの街で使用する"灯明"は不要になったペットボトル(2L型)を利用して作られます。
このイベントで必要になる灯明の数はなんと4,000個以上です。
地域の皆様にご協力をいただいて、各家庭で不要になったペットボトルを集めてもらいました。
現在では、最初に集めたものを再利用しています。

7.灯明の作成作業・地域の中学生の協力を得て
集まったペットボトルを加工する作業です。
ペットボトルの底にドリルで穴を空けます。
板にくぎを刺したものをその穴に通し、固定させます。
これでペットボトルの中にろうそくが立つようになります。
これを4,500個作ります。この作業には地域の中学校の生徒に協力をいただいて、皆で作り上げます。



8.地上絵の実寸による計測
作画した"地上絵のデザイン"が実際の寸法で作ることができるか、当日の会場で計測します。
計測といっても特別な機械があるわけでもなく、すべて手作業で行います。
使う道具は"竹の棒"と"メジャー"。
まず作画した下書きのとおり、地面に描いていきます。
そして当日実際に見える場所(中学校校舎)から確認します。
作画した下書きは"真上"から見た絵です。 実際見える場所は角度があり、当然計画通りには行きません。
地面に描いた"下書き"を目測で修正しながら、中学校校舎で確認し、設計図を作り上げます。

9.いよいよ本番当日
朝9時より準備を開始します。
三石中学校、三石小学校旧講堂、四列穴門の会場設営、地上絵モニュメントの作成を分担して行います。
約4,500個の灯明とロウソクを各会場へ分配します。
皆さんの協力があるおかげで混乱もなく、計画通りに進んで行きます

▼三石小学校旧講堂での準備風景です

▼灯りの地上絵の舞台となる三石中学校では、地上絵の下書きが行なわれます。

▼下書きが設計図通り描かれているか、校舎の上から指示を出します。

▼完成した下書きの上に、灯明を設置して行きます。

▼上から見るとこんな感じに仕上がります。あとは日が落ちてからの点火式を待ちます。

▼昼食の炊き出しの様子です。手作りの料理でおなかいっぱいになります。

▼オープニングセレモニー。小学生による合唱コーラスです。

▼中学生による吹奏楽演奏やソプラノ独唱の様子です。


▼灯りの地上絵、点火の様子です。幻想的な灯りに浮かぶキャンドルエナジー。人々を魅了します
